腐った牛乳
私が中学生の頃の話です。
どこで入手したのかは分かりませんが、母親は”牛乳風呂に入ってお肌の手入れをする”ということで、廃棄処分になった牛乳をいただいていました。
確かに牛乳風呂にもしていましが、主に私に飲ませるためでした。
母親と弟くんは、体質的に牛乳が合わないので飲みません。
コップに移すと真っ白ではなく、ベージュのような色でした。味は、酸っぱく時には苦みさえありました。のど越しは とろみがあり、時にはツブツブみたいな物もありました。
「これは、酸っぱいし色も変。腐っているのではないの?飲みたくない」
と私が言うと、
「せっかく、アンタの為にもらってきてあげたのだから、贅沢言わずに飲みなさい。コレをみんな飲んでいる。そんな文句を言う子はアンタだけだ。」
とマシンガンのように 怒鳴り散らします。
母親に出されたものを口にしないという事は、次回以降の食事はもらえない事を意味します。
しかたなく、口にしました。
何とか、喉を通過することもありました。
口に含んでバレないように、トイレで吐き出したこともあります。
強烈な苦みの時は、思わず噴き出したこともあります。その時は、
「本当に、食べ物を粗末にする」
と とても叱られました。
しかしある日、お腹が弱い父親が間違って少量ですが飲んでしまったのです。
当然、父親は一日をトイレで過ごすこととなりました。
「何で、こんな腐った物が冷蔵庫にあるのだ?」
と父親が母親に尋ねたら
母親「あさみの牛乳を お父さんが飲むからいけないのでしょう」
父親「こんな、味の変わった物を子供に飲ませているのか?腐った物は子供に食べさせるな!!もう、牛乳はもらってくるな。買ってこい!!」
と、毒父ながらまともな事を言っていました。
父親のおかげで、腐った牛乳を飲まなくても良くなりましたが、そのトラウマのせいなのか それ以降 何かに混ぜると飲めますが、牛乳だけでは飲めなくなりました。