親子ダンス
古い写真の整理をしていると、母親とのダンスの時に撮影された、目が死人のような写真が出てきました。
幼稚園最後の運動会で、”親子ダンス”というものがあり、親子で手を取り合ってダンスするという行事でしたが、とても嫌でした。
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満面の笑みでフリフリのワンピースを着てハイヒールで近寄ってくる母親に手を差し出され、恐る恐る手をのせると握られて、ダンスが始まりました。
『逃げたい!地獄だ!苦痛でしかない!気持ち悪い!早く終わって欲しい!』
そのような叫び声が心の中から響いてきました。
『嫌じゃないの?気持ち悪くないの?なぜ、楽しそうなの?』
他のお友達は楽しそうに踊っていますが、何故、親と手を握りあって楽しいのか不思議な気持ちでその光景を眺めていました。
楽しそうなフリをしないと、後で母親に何をされるかわかりません。
でも、どうやったら楽しそうに見えるのだろう?
とにかく、手を離して欲しい。先生助けて!
そんな事を考えながら、そのダンスの時間を耐え忍びました。
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何枚かの写真を見てみると、他の親子は本当に楽しそうで、保護者はTシャツにジーンズ・スニーカーのような動きやすい恰好をしていました。それなのに、何故かウチの母親だけフリフリのワンピースにハイヒールというデパートにでも行きそうな服装でした。
運動会の役員をした経験から、ハイヒールでボコボコにされた運動場の整備は大変だっただろうと推測します。
本当に、自分の事しか考えない人間だと改めて思いました。
この時にはもうすでに、親子関係は破綻していたのでしょう。
親と、手を繋ぎたくない幼稚園児。十分におかしいと思います。