孫の手の使用目的
小学校3年生くらいだったと思う。
友達の家に遊びに行った時、友達のママが孫の手を取り出してきた。
私は心の中で、『何で殴られるの?何かした?どうしよう』と とても恐怖を感じた。
しかし、おばさんは孫の手を背中に当てて「あー気持ちいいわー」などと言い始めた。
呆気に取られていた私に気がついたのか、
おばさんは「あさみちゃん 孫の手知らないの?」聞いてきた。
私は、てっきり子供を殴る道具だと思っていたが、『これって殴る棒じゃないの?』と質問してはいけないと何となく感じ、「よく知らない」とだけ答えた。
おばさんは「自分の手では届かない所 背中などをかくものだよ。」と教えてくれた。
驚いた。てっきり、子供をなぐる道具であって、背中をかく道具とは夢にも思わなかった。
わが母親は「自分の素手で殴れば痛いので、これがいい」と言い ほぼ孫の手で殴っていた。
一度、弟が殴られている修羅場に帰宅したら、殴りすぎたせいで愛用の孫の手が破壊されていた。
「この子(弟)のせいで、孫の手が折れた。腹が立つ」と言いながら、前日にGを駆除したハエ叩きで私の顔を殴ったこともある。私は何もしていないし、孫の手が壊れた怒りをぶつけられ迷惑だし、そもそも壊れたのは弟のせいではなく、自分が孫の手が壊れるまで弟を殴ったせいだ。
孫の手と比べたら、ハエ叩きは柔らかくて良いが、さすがにGと共用は嫌だ。
いや、しつけと称して殴るなら素手で 自分も痛みを感じながらにしてくれ!
そういえば、母親はいつも2~3本”孫の手”を購入していた。それも頻繁に購入していたので、近所の金物屋さんに
「奥さん よく壊すね。どんな使い方しているの?」と聞かれていた。
お店の人も何となく 使用目的を気づいていたのかもしれない。